フリーランスと貯金について

サラリーマンを辞めてフリーランスとして生きていくのであれば、ある程度の貯金をしておかなければなりません。

サラリーマンのように定期的な収入が入るわけではありませんし、半年間に1回程度訪れるボーナスもないため、自分の稼ぎが生活の全てとなります。

貯金がないのにも関わらず、今の会社で働き続けるのが嫌だからとフリーランスになると、想像以上の出費が発生して生活が苦しくなるケースがあるのです。

新規事業を立ち上げる際にかかる資金も念頭に置いておかなければならないため、正社員として働いている段階である程度の貯金をしておく必要があります。

「収入が不安定」「病気の際の保障がない」「仕事を失うリスクがある」というデメリットもあり、フリーランスになるのならば貯金は多ければ多いほど良いのではないでしょうか。

また、2014年に実施されたライフネット生命の調査によると、正社員の平均貯蓄額の359万円に比べて、フリーランスの方は431万円というデータが出ました。

「正社員と比べて圧倒的に多いからフリーランスは稼げる」と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、定期的な収入を見込めないのが難点ですし、風邪を引いて寝込んでしまえばその日の稼ぎは0円となります。

それに、貯金額が0円という方は、正社員が約18.4%なのに対してフリーランスでは22.2%と少々高くなっており、単純計算で5人に1人が十分な貯蓄をできていないのが現状なのです。

これは有給休暇やボーナスがないというのが大きな理由で、まとまったお金が入ってこないからこそ貯金の計画が立てられないのかもしれません。

会社員であれば1年ごとに決まった日にちの有給休暇が用意されており、暗黙の了解で全てを使うことはできないかもしれませんが、休んでいても出勤した時と同じ手当てを貰うことができます。

定期給とは別に支払われるボーナスも会社員にとっては非常にありがたい存在で、基本的には夏と冬の1年間に2回支給されるはずです。

しかし、フリーランスの方はこの有給休暇もボーナスもありませんし、大きな挽回の機会が少ないからこそ貯金できない方が多いのではないでしょうか。

「自分の好きなことを仕事にできる」「自分の好きな時間帯に仕事ができる」「休日の調整がしやすい」「自立する力を身に付けられる」というメリットがフリーランスにはあります。

そのメリットばかりに捉われるのではなく、お金の面で不自由な思いをするかもしれないとフリーランスになる前に覚悟しておいてください。